資産運用の商品を選ぶポイント 安全性編・流動性編
優秀な運用商品を選ぶ3つのポイントは収益性、安全性、流動性。
続いては、安全性と流動性をみていきましょう。
安全性編
安全性とは
安全性とは、想定する収益性(年利など)が確実に実現されるかです。
いいかえると、投資したお金がどのくらい予定外に増減するのか=資産運用のリスクのお話です。
(資産運用のリスクについては、詳しくは「運用が貧富の差を分ける! 資産運用の超・基礎編」をご覧ください。)
収益性編で「確定利回りの商品」や「価格が変動する商品」の年利の話をしましたが、資産運用に“絶対”はなく、この年利が必ず受取れる商品はありません。
どんなときに、どのくらい収益が増減する可能性があるのかを投資前に確認することが大切です。
資産運用のリスクの種類
価格変動リスク
景気や為替、金利などの要因により、運用商品の価格(価値)が変動することをいいます。
たとえば、企業への出資証券である株式は、その企業の業績や世の中の景気などにより、その価値(株価)が上下します。
(以下、株式や債券などの商品の詳細は「運用が貧富の差を分ける! 資産運用の超・基礎編」をご覧ください。)
たとえば、2008年9月の「リーマンショック」で株価が暴落したのを覚えていますか?
価格変動リスクが大きい=値動きが激しいということですので、価格変動リスクの大きさはチャート(=今までの値動きを表にしたもの)で確認できます。
年利が同じでも、あまり上下に値動きせず、右肩上がりで増える商品の方が、価格変動リスクが低く安全といえます。
為替リスク
外貨建ての運用商品は、為替の変動により円に換算したときの資産価値が増減します。
これを価格変動リスクの中でも「為替リスク」といいます。
「運用が貧富の差を分ける! 資産運用の超・基礎編」で「確定利回りの商品」として挙げた商品も、外貨建てならば、円に換算したときの価格は変動します。
たとえば、外貨預金は「預金」ですが、円高のときに預けて円安になって円で引出せば、約束された年利よりもたくさんお金が増えます。
でも、逆に円安で預けて円高になって引出せば、元本割れ(=預けたお金より戻ってくるお金の方が少ないこと)することもあります。
※円高・円安は、1ドル80円よりも120円の方が円安というように、数字が小さいほど円高、大きいほど円安といいます。
信用リスク
運用商品を発行・運用する企業の業績不振や倒産などによって、元本が戻ってこなかったり、利息や配当が予定どおり支払われない可能性のことをいいます。
たとえば、国債はその発行国が、社債や株式はその企業が、保険はその保険会社が倒産する可能性があります。
信用リスクはすべての運用商品にあるといえます。
同様の運用商品でも、信用リスクが高いほど収益性(年利など)は高くなる傾向にあります。
たとえば、先進国と新興国の国債が同じ年利なら、多くの人は経済の発達した先進国の国債に投資するでしょう。
新興国が国債を買ってもらうには、年利を上げて、先進国よりも多くの利息を受取れることにします。
その代わり、新興国の方が財政破たんしてお金が戻ってこない可能性が高い=信用リスクが高いというわけです。
このように、信用リスクが高いために収益性が高い商品もありますので、年利などが高いほど、現実的には信用リスクがどの程度あるのかを確認しましょう。
インフレリスク
物価の上昇によってお金の価値が低くなる可能性のことをいいます。
「ライフプラン診断シリーズ」の「第3回 資産運用が夢を叶える」のコラムで資産運用の必要性について触れましたが、インフレリスクは預貯金が一番高いといえます。
運用がこわいからと預貯金に預けたままでは、それだけで大きなリスクを抱えていることになります。
流動性リスク
必要なときに現金化できなかったり、換金時に思うような価格で売れない可能性のことをいいます。
これについては、次の流動性編で触れます。
流動性編
優秀な運用商品を選ぶポイントの3つ目の流動性とは、必要なときに現金化できるかです。
たとえば、退職年齢まで保険料を払込む生命保険の多くは、退職年齢より前の換金(=解約)はほぼ必ず元本割れするので、かなりの流動性リスクを抱えることになります。
ただ、流動性が低いのはリスクですが、流動性が低い商品はよくないわけではありません。
流動性の程度が、そのお金の運用目的に合った商品を選びましょうということです。
たとえば、3年後の住宅資金作りが運用目的なら3年以内に元本割れなく現金化できる商品をお勧めしますが、20年後の老後資金が目的なら流動性が低くても大丈夫です。
ライフプランを作ると「あなた」の運用目的がわかりますので、一度ライフプランを作ってみましょう。
(ライフプランについては「ライフプラン診断シリーズ」をご覧ください。)
※初稿は、子どもが小さい「新40代」女性のためのwebマガジン「Prime mama」に掲載されています。
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