ライフプラン相談からみえる、家計や将来設計の注意点
保険に加入するときや、住宅を購入するときに、ライフプラン(お金の将来設計)を作ってもらった、という人は多くいます。
ライフプランは、実は、どんな数字を入れるかによって、大赤字にも、大黒字にもできます。
お客さまのライフプランを作成しながら思うこと、お客さまが持参された、他で作ってもらったライフプランを見て気づいた点などをお伝えします!
(ライフプランとは?は、「マンガでわかる!ライフプラン」をご覧ください。)
将来のイベントの考え方
まずは、住宅購入や教育、旅行など、今後したいこと(イベント)について考えてみましょう。
将来のイベントを考えるときは、ご家族の場合、まずは、ご家族間で共通のイメージを持つことが第一ステップです。
妻「ずっと賃貸の方が気楽」
夫「実家が持ち家で戸建てだったし、戸建てがほしい!」
妻「もし買うなら、ゴミ捨てとかが便利なマンションがいい」
妻「地方出身だから、学校は公立が当たり前」
夫「自分も小学校から私立だったから、子どもも私立に行かせたい」
という会話はよくあります。
どうするかで、将来がかなり違ってきますので、話し合うなどして、なるべく早く共通のイメージを持つようにしましょう。
第2ステップは、何を想定して予算をたてるか?です。
ポイントは、「実際にどうなるか?」ではなく、「どの程度、準備をしておきたいか?」です。
たとえば、大学資金なら、
「子どもに私立に行きたいと言われたら、出してあげられるように準備したい」
か、
「ひとまず国立分の準備をして、実際は私立になったら、奨学金(審査があるが)やバイトなどで補えばいい」
なのか。
子どもの自立を考えて後者で!という考え方もありますし、ご家族それぞれの価値観にもかかわってくるでしょう。
収入の考え方
収入については、今後の収入をいくらと考えるかが、大きなポイントです。
ライフプラン作成のために、今後の収入をお聞きすると、「給料は少しずつ上がる」「昇進ごとに大きく上がる」という人もいます。
保険の営業さんなどに作ってもらったライフプランで、収入がうなぎのぼりに上がるライフプランも見たことがあります。
でも、「ほぼ確実に昇給しますか?」とお聞きすると、「会社の業績次第」「昇進試験に受かるかどうかによる」などと言われる人も多くいます。
そうなると、昇給しない可能性もそれなりにある以上、今後の収入が上がっていくことを想定しては危険です。
ライフプランは、年に1回は見直した方がいいので、昇給したら、そのときにライフプランを修正すればいいのです。
今後の収入は、なるべくシビアに想定するようにしましょう。
支出の考え方
支出で何より注意が必要なのが、今の生活費をいくらとするかです。
私のライフプラン相談では、可能な人には、だいたいの支出額を把握してきていただくので、毎月の生活費をメモして来てくださる人もいます。
持参されたライフプランで、このメモの金額×12ヵ月の数字が、そのまま入力されているものもよく見ます。
でも、実際には、生活費がこの金額の人は、ほとんどいません。
毎月の支出の他に、一時的な支出があったり、使途不明金があったりで、年間の生活費は当初言われていた金額の1.5倍、などという人もよくいます。
たとえば、老後に年金暮らしになったから生活レベルを落とすなど、収入が減った分レベルを落とすのは、簡単ではありません。
つまり、今の生活費は、一生涯の生活レベルに影響するといえます。
生活費の金額は、ライフプランが赤字か黒字かに最も大きく影響を与える、と言っても過言でないくらいです。
今の生活費をいくらで考えるかには、細心の注意を払いましょう。
全体的に
家計やライフプランは、シビアにみすぎる必要はありませんが、やはり、余裕のあるプランを考えましょう。
収入は少なめに、支出は多めに考える、です。
そのうえで、次の理由などから、「今できること」は最大限してください。
・老後の年金が予定通りもらえるか不明
・物価や税金などが上がることが予想され、今後は生活費が上がると思われる
「今できること」については、「家計を黒字にする方法~働く派?節約派?運用派?~」のコラムをご覧ください。
「老後破産」という言葉も広まった今の時代、「将来は何とかなる!」では済みません。
将来、後悔しないように、今からライフプランを考え、できることをしておきましょう!
おまけ
ご相談をお受けしていて、気になることの1つが、収入と生活費の関係です。
「このくらいの収入なら、生活費はふつうどのくらいですか?」と聞かれることがありますが、これに答えはありません。
生活費は、あくまで生活レベルによるためです。
ただ、確かに、収入が多いと、支出も増えがちとはいえます。
今までの経験上、一番心配なのは、世帯の年収が「ある程度」多い人です。
ご夫婦の合計が年収700~800万円くらいでしょうか。
ご自身で「収入が多い」との認識があるので、それなりの支出がありますが、一生涯でみると収入が足りない人が多く見うけられます。
やはり、今の収入や支出だけでなく、ライフプランで一生涯の収支をみてみることをおススメします。
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