マイナンバー制度の稼働にそなえて、扶養の基礎を再確認しましょう!

 

マイナンバー制度により、今後は、段階的にさまざまな個人情報が国や地方公共団体の間で共有されるようになります。

(マイナンバー制度による影響については、「マイナンバー制度が導入!影響がある人は?」をご覧ください。)

 

これにより、実は収入が多くて、扶養から外れるおそれがある人もいるでしょう。

扶養から外れると、それだけでかなりの出費が発生します。

もう一度、扶養の基礎を確認しておきましょう!

 

 

103万円の壁・130万円の壁とは?

 

専業主婦(主夫)や大学生などの多くが、夫(妻)や親の「扶養」に入っています。

 

扶養には、税法上の扶養と社会保険上の扶養があり、どちらも扶養に入るには、「扶養に入る人の収入」が「一定金額まで」という要件があります。

収入がこれを超えると、扶養から外れます。

 

このことが、「103万円の壁」「130万円の壁」といわれています。

 

 

「収入」とは?

 

まず、注意点として、税法上の扶養も社会保険上の扶養も、収入要件の金額は「手取り」収入ではない場合があります。

 

パート・アルバイト収入の場合、いわゆる額面から所得税などが天引き(源泉徴収)されている場合です。

この場合、収入要件の金額は、所得税などを天引きする前の金額で判断しますので注意しましょう。

 

自営業の場合も、所得税などが天引きされて入金された収入については、同じことがいえます。

ただ、このような収入も含めて、自営業の場合は、手取り収入から必要経費を差し引いた金額で扶養の収入要件をみます。

自営業でどの程度の経費が認められるかは、健康保険組合では独自に決められていることもありますので、必ず確認しましょう。

 

この点を踏まえて、具体的な内容に入ります。

 

 

税法上の扶養

 

税法上の扶養とは、扶養に入ることにより、夫(妻)や親などの扶養者の所得税や住民税が安くなる制度です。

 

扶養に入る人の収入要件は、パート・アルバイト収入の場合、11日から1231日までの1年間の収入が103万円までとなっています。

これが「103万円の壁」です。

 

一方、自営業の場合、青色申告で65万円の控除が使える人は同じく103万円ですが、そうでない人は38万円までですのでご注意ください。

 

 

税法上の扶養から外れると…

 

税法上の扶養から外れると、次のような新たな支出が発生します。

 

扶養者の所得税と住民税が増える

 

所得税は通常、「所得額-所得控除額」に税率をかけて計算します。

扶養から外れると、今まで使えていた「所得控除額」の1つ「扶養控除」が使えなくなります。

 

所得税の扶養控除の金額は、次のようになっています。

所得税は所得額が多いほど税率が高く、扶養控除が使えなくなると、たとえば税率が20%で扶養控除が38万円だった人は、所得税が1年で最大38万円×20%=76千円増えます。

 

住民税では、所得額により税額が変わる部分(所得割)が増えます。

計算方法は所得税と同じですが、扶養控除は次のとおりです。

税率は10%なので、たとえば扶養控除が33万円だった人は、住民税が1年で最大33万円×10%=33千円増えます。

 

扶養から外れた人自身にも所得税や住民税が発生する

 

他に考慮する事情がなければ、所得税は、扶養の収入要件を超えた金額に対して最少で5%を支払います。

 

ただし、パート・アルバイト先が1か所で、所得税が収入から天引きされている場合は、通常は新たな支払いは不要です。

この場合、自分で税務署に確定申告をすると、逆に払いすぎた所得税が戻ってくることもあります。

 

住民税は、1年間のパート・アルバイト収入が100万円超であれば、課税されます。

自営業の場合、青色申告で65万円の控除が使える人は同じく100万円ですが、そうでない人は35万円までです。

これを超えた金額×10%を支払います。

 

 

扶養から外れなくても…

 

特に事情がなければ、所得税は103万円を、住民税は100万円を収入金額が超えると課税されます。

つまり、所得税は課税されないけど、住民税は課税される場合があります。

 

今までは、収入が103万円を超えないため所得税の確定申告をせず、結果的に収入金額を知られないため、住民税も納めていない人もいたと思います。

でも、マイナンバー制度の導入により、いずれは、このような場合でも住民税の請求はくるようになると思いますので、驚かないようにしましょう。

 

 

社会保険上の扶養

 

社会保険上の扶養とは、通常、会社員の夫(妻)や親などが加入している、健康保険の扶養のことをいいます。

公務員にも同様の制度があります。

 

健康保険とは、病院で治療を受けたときに、費用の3割を負担すればよいなどの給付が受けられる制度です。

扶養に入れば、健康保険の加入者(会社員)とほぼ同じ給付が受けられます。

 

扶養に入る人の収入要件は、1年間の収入が130万円までとなっています。

これが「130万円の壁」です。

 

ただ、税法上の扶養と違い、毎月の収入が継続して130万円÷12ヵ月≒108千円強を超えたら、その時点で扶養から外れると判断されます。

 

また、大企業やグループ企業などは、独自の健康保険組合を作っていることがあります。

健康保険組合の場合、扶養の要件が微妙に違うケースもありますので、確認してみましょう。

 

 

社会保険上の扶養から外れると…

 

社会保険上の扶養を外れると、扶養から外れた人自身が国民健康保険に加入し、保険料を支払うことになります。

国民健康保険料は、お住まいの市区町村や収入額により違います。

扶養の収入要件を数万円超えただけでも、年間5万円程度かかる自治体もあります。

 

また、通常は、20才~59才ならば、国民年金の保険料も支払うことになります。

平成27年度は、毎月支払いなら月額15,590円です(支払い方法によって保険料は変わります)。

 

ただし、学生の場合は、申請により在学中の国民年金保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」があります。

この制度にも収入要件があり、1年間の収入が194万円(大学生自身に扶養親族がなく、社会保険料なども支払っていない場合)です。

収入が超過すると、やはり国民年金の保険料を支払うことになりますので、気をつけましょう。

 

 

税法上の扶養も、社会保険上の扶養も、年が明けてから収入要件を超えていたことが判明し、扶養から外れざるをえなくなることは、よくあります。

その1年間の収入は、その年の間でないと調整できません。

扶養に入っている人は、年の後半になればなるほど、扶養の収入要件を意識して働くようにしましょう。

  

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